不確定性原理と量子力学の構成

1900年代に入り実験事実と古典理論が整合しないものが多くなってきた。それはどんなものを扱っているかと言えば電子クラスの大きさの現象に関するものである。そこで新しい理論「量子力学」を構成しようというモチベーションが上がってくる。元来物理学の各分野はそれ自体で構成する理論体系がほとんどであった。しかし、量子力学は古典論がなければ構成できない。また、量子力学の結果を知っていなければ構成できないこともわかる。例えば、電子の回折現象を見てみる。これは古典的な波の重ね合わせで語れるものだとしていたが実際は、全く異なる結果を招いてしまう。というのも、量子力学では、古典論で言う運動の軌跡を決定できないのである。

そんな中でも軌跡ぽいをものを観測できるものとして、霧箱がある。なぜ違いが生まれるのか。それは実験装置のためである。観測するために実験装置は重要である。実験装置は観測物に何かしらの影響を与えて何かしらの変化を見えるようにしてしまう。そのため、実験の精度が粗ければ粗いほど軌跡ぽいものを観測でき、厳密なものほど離散的な結果を出力してしまう。

以上から量子力学でなにを述べることができるのか考える。それはある状態での運動の分布の予測である。観測してしまえば確率は収束してしまうが、ある状態を考えたときにどこに行く可能性があるかは考えることが可能である。それが波動方程式として表現可能なのだ。